民事再生とは
個人民事再生は、裁判所の監督のもとに債務の支払を停止し、債務の一部免除や長期の弁済条件などを盛り込んだ再生計画に基づいて返済する制度。 この手続きでは、住宅ローンに関する特則により、自宅の所有不動産物件を保守しながら、住宅ローン以外の債務を小規模個人再生(個人事業主用)又は給与所得者等再生(給与所得者用)のいずれかの方法で、圧縮された負債総額を3年間(最長5年)にわたり弁済し、更に(住宅資金貸付債権に関する)特則を行使する事で、住宅ローン自体も最長10年支払期間を延長する事が可能となる場合もあります。
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民事再生とは
申立ての要件
1:小規模個人民事再生手続き
・支払い不能に陥る恐れがある人
・継続的に反復して収入が見込める個人
→継続的に反復して収入が見込める個人とは毎月一定の日に定期的に収入があるサラリーマンはもちろんですが、自営業者、フリーター、派遣社員、年金生活者などでも、収入の見込みさえあればよく、職業が問われることはありません。
・住宅ローン以外の借金総額が5,000万円以下であること
2:給与所得者等再生手続き
・支払い不能に陥る恐れがある人
・定期的で、なおかつその収入に変動幅が少ない収入があること
→収入の変動幅が少ないサラリーマンや公務員でないと給与所得者等再生の要件を満たしていないことになります。 収入の変動幅は、年収の変動幅が2割未満であることが一般的です。
・住宅ローン以外の借金総額が5,000万円以下であること 以上の要件を満たし、再生計画が裁判所に許可決定されると借金が減額されることになります。
住宅ローン条項
住宅ローン条項とは、民事再生を申立てする方が住宅ローンが残っている住宅を所有しているときに、そのマイホームを維持するための特別な定めのことをいいます。
当初の契約どおりの住宅ローンの返済が困難な場合、住宅ローンの返済期間や返済方法を変更することも可能ですが、あくまで債権者の同意が必要となりますので、よほどの事情がない限り当初の契約どおりに返済していく内容の住宅ローン条項となることがほとんどです。
この住宅ローン特則を利用するための要件は、以下のとおりです。
・民事再生をする方が住宅(建物)を所有(共有)していること
・民事再生をする方が住宅(建物)に居住していること
・住宅(建物)に住宅ローンの抵当権が設定されていること
・住宅(建物)に住宅ローン以外の抵当権が設定されていないこと
個人民事再生と任意整理の主な違い
【返済期間と返済額】
小規模個人再生手続きでは、債務額の5分の1(最低100万円、最高300万円)を原則3年で支払えば残余の債務は免責されます。 (債務額が3000万円を超えて5000万円までは10分の1の割合)
給与所得者再生手続きでは、1年間の手取収入から1年間の最低生活費を控除した額、の2年分の金額を3年で支払えば残金について免除されます。 よって、いずれを選択するにせよ、個人民事再生手続きの場合、総返済額が任意整理よりも少なくなるのが特徴です。
一方の任意整理は、弁護士や認定司法書士が裁判外で、債権者と利息制限法に基づいて引き直しをし、借金を減額し、その金額に利息をつけないでおおむね3年で返済していきます。こちらの場合、過払い金による借金の元本減額以外に元本はほぼ圧縮できません。
【債権者の同意】
任意整理や特定調停には強制力がないので、債権者の同意が必要になりますが、個人民事再生の給与所得者等再生手続きでは、債権者の同意が得られなくとも債務整理が可能です。
小規模個人再生手続きでも、反対者が債権者の半分未満で、その債務額が債務総額の1/2以下であれば一部の反対があっても問題ありません。
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民事再生のメリット
・債務者の事業や仕事を継続しつつ債務元本の大幅カットが認められる。
・原則として住宅などの所有財産の処分をすることなく再生することができる。
・職業資格の制限期間がない。
民事再生のデメリット
・手続が他の債務整理方法と比較して一番複雑であり、手続きの期間が長く費用がかかる。
・手続の申立てに関しての条件が高い。
・5年~7年の間、信用情報機関の個人情報に登録され、新たな借入やローンを組んだりすることができなくなる。
民事再生の報酬
自分で個人再生をする場合
予納郵券:5千~1万円
予納金(官報公告費用)約1万2千円
個人再生委員が選任された場合(裁判所により)は、予納金として新たに15万円~25万円かかります。
弁護士・司法書士に依頼した場合
着手金:1~40万円
弁護士・司法書士約30~70万円位
個人再生委員が選任されるかどうか、住宅ローン特例を使うか使わないかによって費用は大きく変動します。
弁護士書士や・司法書士事務所によって、費用の内訳の設定が全く違うので、細かく内訳を書けません。
※弁護士事務所・司法書士事務所のホームページ参考
個人再生にかかる費用は、弁護士・司法書士事務所によって様々です。大切なのは、依頼者の現状を理解し、支払方法を柔軟に対応してくれて、料金体系が明確な所が良いでしょう。
よくある質問Q&A
Q,個人民事再生手続きの大まかな流れを教えてください。
1.必要な書類を作成・準備し、裁判所へ個人民事再生の申し立てをする。
2.約2週間後に個人再生委員(裁判所から選任されます)と面談をして、資産や借金の状況についての調査が行われる。
3.約6ヶ月間程度、毎月返済予定額の積立をし続け、なおかつ再生計画の作成をして、特に問題がなければ裁判所が再生計画を認可して減額後の借金の返済が開始される。
Q,借金の原因がギャンブルでも個人再生はできますか?
A,自己破産では、浪費やギャンブルによる借金は免責を受けられないことがありますが、個人民事再生では浪費やギャンブルが原因の借金でも手続きできます。
Q,財産は処分されますか?
A,自己破産は、必要最低限の生活品を除き、債務者の財産をお金に換え債権者で公平に分配しますが、個人再生は、住宅を持ったまま生活の再建をはかることを目的としていますので、債務者の財産は処分されません。
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よくある質問Q&A
Q,収入がないので家族に援助してもらってもいいですか?
A,個人再生は本人に安定した収入がある時に使える制度ですので、本人に収入の見込みがなければこの制度を使うことはできません。
Q,外国人も個人再生することができますか?
A,国籍による制限はありませんので、外国人でも問題ありません。
Q,勤務先に知られますか?
A,勤務先に知られることはまずありませんし、もし会社にそのことを知られても、その事を理由に解雇されることはありません(解雇は違法です)。
Q,家族に内緒にできますか?
A,民事再生の申し立て時に同居人の収入を証する書面を提出する関係上、家族に内緒で民事再生をすることは非常に難しいです。
家族に事情を打ち明けて、協力し合って借金の整理をしていくことをお勧めいたします。
Q,民事再生をすると保証人はどうなりますか?
A,保証人は、主債務者(実際にお金を借りた人)が契約どおりに返済ができなくなった場合に、主債務者に代わって返済を行う義務がありますので、主債務者が民事再生をして借金が圧縮されたとしても保証人の責任は一切なくならないのが原則です。
なお、住宅ローンは、民事再生手続き上の住宅ローン条項を利用したとしても一切減額されませんので、例外的に民事再生の効果が保証人にも及ぶことになります。
Q,住宅ローンを滞納して1年経ってしまいました。このような場合も利用できますか?
A,住宅ローンの返済が滞ると、代位弁済といって保証会社が代わりに銀行へ返済してしまうことがありますが、その場合債権は銀行から保証会社に移ります。
保証会社が代位弁済してから6ヶ月以内であれば、住宅ローン特則を使うことができますが、それを越えてしまうと住宅ローン特則を使うことはできません。
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